平成15年2月9日、四国八十八カ所巡礼の旅は大窪寺で結願(けちがん)しました。前年3月から妻と共に巡礼の旅ツアーに参加、ほぼ一年がかりでした。最後は高野山へお礼参りして完了したのです。
巡礼については、どなたも一定の知識はお持ちなので、解説は省きます。15年前の事なので、記憶もあやふやな所が多いのです。しかし、忘れられない強烈な体験がありました。愛媛県内の巡礼を終え、平成14年10月だったと思いますが、徳島県にバスが入った時、隣の妻の表情が一変し、目が一点を凝視しているのです。梅田に着くまで生きた心地がしませんでした。
救急車で脳外科病院に搬送されました。翌日、意識を取り戻し検査の結果、松果体に内出血が見られる症例で、極めて稀なものとの事でした。経過観察という事で、10日間位、入院したと思いますが、特別な治療は受けませんでした。
その後、再発は全くありません。松果体は頭部の中央に位置する脳の器官で、人間の潜在能力(霊的な能力)の開花に重要な役割を果たすと多くの精神世界の書物が指摘しております。お大師様が何かのサインを出されたのではないかと、今でも思っております。不思議な体験でした。
完成した八十八カ所のお寺の掛軸は、今も大切に床の間に掲げております。