いよいよレポートの核心部分です。 “あの世” と “この世” の仕組みが、おぼろげながら解った所で物語を作ってみます。
“この世” を海、“あの世” を陸地、その境を港、私達の肉体を舟に例えて語ってみましょう。私は “この世” でもう少し心の修業せよ、との天命(摂理)で、 “あの世” と “この世” の境にある母舟(胎内)に着きました。
胎内に入るには、精子と卵子の結合が必要で、数十億から数百億分の一の確率で肉体(舟)が発芽します。私の使命(修業の種類)により、どの胎内に宿るかが決まります。この段階では “あの世” の霊感がそのまま保持され、母体内で外界の様子も知っておりますが、出産で外界( “この世” )に出ると、徐々にその霊感は消滅し、制限された人間の五感となります。
出産すると、親舟や小舟と共に、大海原へ出航します。尚、私には帰港( “あの世” へ帰る)の期限(寿命)が決められております。学校の卒業期限が決まっているのと同じです。航海は凪あり、嵐あり、時には難波の危機もあり、多難ですが、他舟の航行も見守り、霊格向上に努めながら、何とか乗り切り、決められた帰港期限までに帰着し、下船します。
冥府で一休みして、私の霊格に適合した界層へ向かう事となります。帰港以前に難波(航行不能)した場合は、守護舟(霊)が救助に向かいますが、決められた帰港期限(寿命)以前に、舟を自損(自殺)したり、 “この世” に強い執着を持った遭難船の救助は、大幅に遅れ、長期間、海原を漂う事となります。これらの舟は浮遊霊、地縛霊と呼ばれております。
おおよそのイメージがつかめたでしょうか。