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長女の壷井栄賞入選作品発見(前編)

翁のひとりごと | 氣愛塾 翁のひとりごと

“二十四の瞳” の作家、壷井栄を顕彰する壷井栄顕彰会が主催する第12回壷井栄賞授賞式が、昭和59年6月23日(土)小豆島の壷井栄文学碑前で開催されました。長女の雅子(現:福田雅子)が入賞し、母親(房子)と一緒に高松から船で小豆島へ行きました。高松高校2年の時です。(応募時は高校1年)

香川県県下の小・中・高校生141点の応募から4名が入賞、その一人となったのです。応募内容には指定はなく、創作作品とされ、テーマは自由でした。応募に当たり、私は助言を求められ “この文字よりこの文字がより鮮明になるのでは” “この文字はむしろカットした方が文章が伝わるのでは” 等と、得意気に提案した事を思い出します。

入賞作品をご覧下さい。本人(雅子)も三十余年前の事ですから、どこまで記憶にありますか。家材の整理中に発見されたのです。前編と後編に二分しました。

長女の壷井栄賞入選作品発見(前編)| 氣愛塾

私の友人像ー「さぶ」を読んでー 高松高等学校一年 小野寺雅子

真の友を見つけるためには、どうしたらよいのだろうか。
高松高校を受験する時の面接の質問内容の中に、「高校生活への期待」とういう項目があった。私は、「三年間で、心から信頼でき、理解し合える友人を持つこと。」と書いた。今までに、友人がいなかったわけではない。私の家庭は転勤族なので、普通の人以上にたくさんの友人に巡り会ってきた。でも、どこか物足りない。私の友人に対する期待、つまり私の友人像というものの理想が高すぎるのかもしれない。現実には、まだ見つかっていないが、私は小説の世界に、私の友人像を見たのである。

さぶ-。気は小さいけれど、友達思いの心の優しい人物である。さぶの友情が、栄二の心を目覚めさせたのだ。誰でも自分がかわいい。「自分がどんなになろうとも、相手の為につくす・・・」これほどの友情があるだろうか。さぶに出会って、私の友人像は大きく膨らんだ。

私がさぶに出会ったのは、高校一年の一学期の演劇教室であった。それは「青年の川」(劇団青芸)という劇で、その物語の中で、山本周五郎作の「さぶ」という小説が取り上げられていたのだ。「私がさぶに出会ったのは」と書いたが、その劇では、私は「さぶ」よりも「栄二」の方に影響されて、この本に興味を持った。その劇が栄二役の人を中心に展開していたせいもあるが、はっきりいってさぶに対して何も感じなかった。「さぶ」という人物の存在にすら気づかなかった。小説を読んでいる時でさえも、さぶの存在を意識しない事もあった。でもそんな中に、さぶの優しさ、友情というものがあったのだ。それに気づいてからは、先を読むごとに、さぶの心が伝わってきて、私の心を感動させた。

後編に続く・・・

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