さて、幽体離脱という言葉をご存知ですか?瀕死の状態になった時、ベッドの上部から、ベッドに横たわる自分の姿と、自分を救命しようとしている人々や、駆けつけて見守る人々の様子を、回復後、克明に極めて正確に報告するケースです。
日本だけでなく、諸外国でも実例が多数報告されております。脳の錯覚や幻視とする説も当然ありますが、その具体的で生々しい事例報告の前では、説得力はありません。
2018年2月、日本の現役医師(82歳)が出版した本の中に「幽体離脱を医学的に解明する」と題した項目があり、二つの事例が載っております。ご紹介します。
一つ目は、精神科病棟のベテラン看護師の体験です。ベッドに横たわっている患者さんの体から、まるで甲殻類や昆虫が脱皮するように、人間の姿そっくりの物体が空中に浮き上がり、それが静かに壁の方に移動して行き、そのまま壁の中に吸い込まれて行ったのです。見回りをしていた本人は、頭から冷水を浴びた様なショックを受け、その光景に身動き出来なかったとの事です。2時間後には、その患者さんは亡くなりました。
二つ目は、車の衝突事故に遭遇した事例です。路上に横たわっている彼の体から、もう一人の自分が宙に浮くように離れ、路上に横たわる自分を見ています。横たわる自分の周りには、ガラス、タイヤ、ヘッドライト等が散乱しており、戻ろうとする自分と、離れようとする自分の葛藤がしばらく続き、ハッと我に返ると、ICU室のベッドに横たわっていたとの事です。
脳の側頭葉の上端に角回(かくかい)という領域があり、ここを刺激すると、幽体離脱の現象が起こる事があるそうで、著者である医師は、最後に「脳の詳細な働きはこれからますます解明されると思いますが、依然として、解明しきれない現象が起こっている事に改めて驚かされます」と結んでおります。
この現象は、人間は肉体と霊体が合体した構造になっている事を示す、有力な証拠と言えそうです。