火星と木星との軌道間にあって、太陽をめぐる多数の小天体は、小惑星と呼ばれております。この中で、ベンヌと呼ばれる直径500m位の小惑星が、二つの理由で今、大変注目されております。
第一の理由は、本体が主に炭素系の物質で出来ており、これを採取し、分析すると、地球生命の起源が解明される可能性が極めて高いと、アメリカの科学者が伝えております。炭素は、有機化合物の源ですから、地球の生命体は、こうした小惑星が運んで来た事が立証されるというのです。2016年9月にアメリカは回収船を打上げ、2018年以降に帰還する模様です。
注目される第二の理由は、不気味です。地球に衝突する可能性が高いというのです。小惑星が、地球に衝突する確率は、100万分の1以内との事ですが、ベンヌは、実に1,000分の1以内との事で、1,000倍も高いことになります。6年毎の周期で地球に接近しております。
現在、アメリカで精力的に観測と研究が為されておりますが、人工的に軌道を修正する研究もされているかもしれません。
これはSF映画の話ではありません。万一、衝突した場合は、場所によっては、中・小国家の2~3個が消滅し、地球は壊滅的打撃を受けるとの事です。人類(人間)の結束と英知が試される事になるかもしれません。
こんな事は起こってはなりませんが、地球の長い歴史には、何度も実例が確認されております。国家間の利害で争っているどころではなくなる事は確かです。