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祝婚歌~吉野弘~

翁のひとりごと | 氣愛塾 翁のひとりごと

亡き妻と私が40代の高松時代、彼女が読書サークルで入手した詩人、吉野弘さん(1926~2014年)の代表作「祝婚歌」を初めて知り、その言葉の丁寧さに驚嘆しました。そしてその優しさに。

以下、声に出してゆっくり読んでみて下さい。

二人が睦まじくいるためには、愚かでいるほうがいい。
立派すぎないほうがいい。立派すぎることは、長持ちしないことだと気付いているほうがいい。
完璧をめざさないほうがいい。完璧なんて不自然なことだと、うそぶいているほうがいい。
二人のうちどちらかが、ふざけているほうがいい。
ずっこけているほうがいい。
互いに非難することがあっても、非難できる資格が自分にあったかどうか、あとで疑わしくなるほうがいい。
正しいことを言うときは、少しひかえめにするほうがいい。
正しいことを言うときは、相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい。
立派でありたいとか、正しくありたいとかいう無理な緊張には、色目を使わず、ゆったり、ゆたかに、光を浴びているほうがいい。
健康で風に吹かれながら、生きていることのなつかしさに、ふと胸が熱くなる。そんな日があってもいい。
そしてなぜ胸が熱くなるのか、黙っていても二人にはわかるのであってほしい。

この詩は二人の娘の結婚披露宴で、亡き妻が朗読したことを思い出させてくれます。

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