私たちには、ポジティブ感情とネガティブ感情がどちらも存在します。
ついつい「ネガティブ感情をゼロにしたい」と思いがちですが、ゼロにすることはできません。
なぜなら、ネガティブ感情も、私たちにとって大切な感情だからです。
ポジティブ感情とネガティブ感情を、言葉で表現すると、次の図のようになります。
そして、それぞれの役割を整理すると、次の図のとおりです。
車に例えると、ポジティブ感情がアクセル、ネガティブ感情がブレーキで、どちらの感情も大切なんです。
もともとネガティブ感情については、心理学で昔から研究されてきたようなのですが、ポジティブ感情についてはあまり研究されておらず、初めてしっかりと研究したのが、バーバラ・フレドリクソンだと言われています。
バーバラ・フレドリクソンは、
ポジティブな心の状態 = ポジティビティ
とし、著書である『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則(日本実業出版社)』の中では「ポジティビティが持つ6つの事実」を説明しています。
- ポジティビティは氣分がいい
- ポジティビティは精神の働きを変化させる
- ポジティビティは未来をかえる
- ポジティビティはネガティビティにブレーキをかける
- ポジティビティは「ティッピングポイント(転換点)」を持つ
- ポジティビティは増やすことができる
そして、「ポジティビティを増やすことで、新たな可能性を発見し、挫折から立ち直り、よい人間関係を築き、自分を最もよい状態に保つことができる」とも言っています。
それでは、ポジティブ感情とネガティブ感情の割合は、どれくらいがよいのでしょうか?
上昇スパイラルを起こす最低限のポジティビティ比、それは3:1以上と言われています。
つまり、ネガティブ感情1に対して、ポジティブ感情3以上の割合です。
バーバラ・フレドリクソンは、この黄金比率のことを「ティッピングポイン(転換点)」といい、ポジティビティ比3:1以上になると、物事が今まで以上にスムーズに動き始めると説明しています。
通常、私たちのポジティビティ比の平均は、2:1ほどだと言われています。
何かつらいことがある人は1:1を下回り、2:1では上昇スパイラルに入ることはできないそうです。だから、ポジティブ感情を増やす必要があるのです。
まずは、普段、自分自身がどんな感情を抱いて生活しているのかを知るために、感情の割合分析をしてみませんか?
私が研修で使用してる分析シートを使って、1週間の出来事を振り返りながら、その時に抱いた自分の感情を、書き出してみてください。
まずは、感情の割合で自分を知ることから初めてみましょう!
そして、自分の感情の割合を知った上で、ポジティブ感情を増やすための行動に繋げたいですね。
コメントがあればお氣軽に!