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近松門左衛門「曽根崎心中」

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日本のシェークスピアと呼ばれる近松門左衛門の名作「曽根崎心中」をご紹介します。

町人社会に題材を得た「世話物浄瑠璃」のスタイルを作った画期的な作品といわれています。大阪商家の手代徳兵衛が、遊女おはつと契り合うが、金をだまし取られて心中に至る。この道行(みちゆき)は心中の地の曽根崎に行くまでの、しみじみとした場面です。

元禄16年(1703年)5月、竹本座で初演されました。実際に起きた事件を題材にしております。近松門左衛門この時51歳。前年12月に、かの有名な赤穂浪士の討ち入りがありました。

曽根崎心中~徳兵衛おはつ道行(みちゆき)

此の世のなごり。夜もなごり。
死に行く身をたとうれば。あだしが原の道の露。
一足(ひとあし)づづに消えて行く。
夢の夢こそあわれなれ。
あれ数うれば暁の。
七つの時が六つ鳴りて残る一つが今生(こんじょう)の。
鐘のひびきの聞きおさめ。
寂滅為楽(じゃくめついらく)とひびくなり。
鐘ばかりかは草も木も。
空もなごりと見上(みあ)ぐれば。
雲心なき水のおと。
北斗はさえて影映(かげうつ)る。
星の妹背(いもせ)の天の河。
梅田の橋を鵲(かささぎ)の橋と契りていつまでも。
我とそなたは女夫星(めおとぼし)。
必ず添うとすがり寄り。
二人が中に降る涙。
川の水嵩(みずかさ)もまさるべし。

人形浄瑠璃(文楽)では義太夫節と呼ばれる、独特の節回しで、ゆっくりと三味線伴奏で語られます。七五調なので、声を出すと味わい深いものです。

私は今でもこの一節は語る事ができます。

近松門左衛門「曽根崎心中」| 氣愛塾

※近松門左衛門

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